【マーケティング】よくある間違い。物を売るな、ストーリーを売れ①

今回は、なぜ人は買うかについて話したいと思います。
何かの商品やサービスを販売している社長は自分の商品を素晴らしい商品にすれば売れると思っています。
しかし現実には、いかに優れていようと売れる訳ではありません。
人間が欲しいのは、わかりやすい商品です。
よくある企業が犯す間違いで、たくさんの商品の説明をしますが、客はそれを理解する為にたくさんのカロリーを消費する為、別のことを考えはじめ興味がなくなります。ですから客に関心を持ってもらう為には、根源的欲求を満たす情報を迅速に伝えなくてはならないんです。
その方法がストーリです。ストーリーは人間の集中力を長時間にわたって持続させることができる方法です。神経科学者によれば平均的な人間は30%を上回る時間を空想に費やしているが、ストーリーを見たり聞いたりしている時間はそこに含まれない。なぜならば集中してるいるからです。
脳は情報を処理するときにカロリーを消費する。だが、不要な情報でカロリーを消費するのは避けたい。無駄なカロリー消費は生存の欲求に反するからだ。
ストーリーの重要性が理解出来ましたか?
ではどうすればストーリーをつくることが方法をここから説明していきます。
ストーリーをつくるにはフレームワークを使います。
このフレームワークは7つの基本要素から成り立っていて、要約すると
目的を持つ主人公が、それを達成する前に問題にでくわし、主人公が絶望の淵に立たされた時に、導き手が現れて、計画を授け、行動を促す。その行動により、主人公は失敗を回避して、成功に至る。
という流れです。
これが基本構造で、音楽で言うとコード進行のようなもので、これに沿っていれば、客の関心を弾くことができます。映画のほぼ全てが実はこの基本原則を含んでいるんです。驚きですよね?でも考えてみれば似ているストーリーが多くないですか?つまり既に確立されているんです。長い歴史をかけて世界中の作り手が最も効率の良い方法として開発したものがこのストーリーなんです。
だから自分の力で考えたいとか、オリジナルを作りたいとか気持ちは分かりますが、成功はしないと思うのであきらめてください。守破離という日本の武道などでも言いますが基礎が一番大切でそれを完璧に会得したら破っていくのが結局は成功に一番近いです。甘く見ずにしっかり頭に叩き込んでください。よくいる、なんちゃってマーケターやえせコンサルタントはこんな基本的なことも知らずに意味の分からない難しい理論を偉そうな口をして話しているのが現状です。でも雇う方のあなた方にも問題があるのでめんどくさいとか言わずに社長は勉強してください。
・主人公
ここで発送の転換が必要なのことは商品が主人公ではなく客が主人公であると言う点だ。
対象となる客が決まったら、その客が商品やサービスに何を求めているかを考える必要がある。そして主人公が望むものを特定しなくてはいけない。そうしないと客が物語に招かれていると感じることはない。
・問題の特定
最も分かりやすいのは、平和な中暮らす中、突然平和が乱れ、主人公は平和を取り戻す為に旅に出かける。
客が商品やサービスに関心を抱くのは、この主人公が物語に弾き込まれるのと同じく平和を乱す問題を抱えていてそれを解決したいと思っているからだ。
・導き手の登場
主人公が自分で解決出来るなら、そもそもあまり困っていない。
なので、助ける人物を作り出してきた。それが導き手(ガイド)である。
スターウォーズで言えば、オビ=ワンである。
ワンピースで言えば、シャンクスやレイリー
ドラゴンボールで言えば亀仙人や界王様などである
・計画の提示
この時点で客はこちらのことを好意的に見ている。しかしまだ購入は決めていない。なぜならシンプルで簡単な計画を示していないからだ。
高価な商品であるほど購入における大きな決断をする必要がある為、客は分かりやすい計画を求める。
・行動喚起
物語では、突然自分の意思で克服することは客を弾きつけない。なぜかと言うと現実味がないからだ。人生には理由が必要で外部からきっかけを与えられて初めて行動を起こす。
■主人公
ここからは各フレームワークについて詳しく説明していきます。
主人公が望むものが何かを定義して初めてお客さんは、ストーリーに興味を抱きます。逆に望みが何かを知らないとお客さんは物語に興味を抱かないです。
ここで重要なのはお客さんが望む物を定義することです。それによってこの商品、サービスは本当に望みを叶えてくれるだろうかと興味が心に芽生えるからだです。
例えば、あるリゾート会社が宣伝資料にレストラン、ホテルのフロント、従業員の写真をWEBで掲載していました。どれも素晴らしいものだったが、お客が欲しいのは建物や従業員ではない。実際に利用者が求めていたのは「贅沢をして休息をとる」ことでこれまでの自社を主人公に位置付けていたものから「贅沢をして、ずっと求めていた休息をとろう」に差し替えられた。
そして会社の従業員に対しても効果があった。利用者が求めるものを正確に定義したことによって従業員の意識が変わって意思統一が出来、サービスに対して客視点での方向性が定められた。
■お客さんの願望を一つに絞る
願望は複数定義している商品やサービスがあるが、広く網を広げたくなる気持ちは分かるがそれだとぼやけて伝わらない。具体的な望みを定義しないと必要性がお客さんに伝わらいのだ。定義したものが達成出来るまでは、増やすべきではない。
■お客さんの存続(サバイバル)に関わる願望を選ぶ
間違いとして多いのがお客さんが望んでいるものとは違う物を定義してしまうことでそれを防ぐためには、存続に関わる願望を選ぶことにしなさい。
存続とは「安全」「健康」「幸福」「強くありたい」という根源的欲求で飲食し、生殖し、安全に過ごす為の経済的・社会的手段を指していて、その願望の方が必要性が高いのでお客さんに伝わる。
例えば管理職向けのコーチングをしているあるコンサルタントの話だが資料のキャッチコピーが「知識を吸収し、卓越性を見せる」だった。うなくまとまっているようだが意味が分かりにくくはないだろうか?そこでコンサルタントから依頼されたアドバイザーが「誰からも慕われるリーダーになるお手伝いをします」に変更した。
どうだろう?こっちの方が分かり易くないだろうか?
説明すると、このコピーは周囲から優れたリーダーだと認められることだから、つまり本人の進退に直結する。これは存続に関わる願望だ。
この存続に関わる願望を一覧でまとめるので、ぜひ取り入れて使って見て欲しい。
・金銭的な節約
存続と成長の為にお客さんは資源を節約する必要がある
・時間の節約
時間を節約すれば他のことに時間を割けることが出来る。
・社会的つながりの構築
・社会的地位の獲得
金銭的に余裕がある程、存続に必要な資源を確保する可能性は高まる。
・資源の蓄積
・思いやりを発揮したいという人間本来の欲求
・意義への欲求
■問題の特定
お客さんの願望を定義し物語に入り込んだら、さらに関心を集めてもらう為、次にお客の問題について語ろう。
お客さんの問題を明らかにすることによって、お客さんは自分を理解してくれていると感じ商品に興味を抱く。
問題の根源となるものは「悪役」で、もちろん脚本家や小説家は知っているから、あえて強くて、邪悪で卑劣な悪役を設定するのが理由だ。
漫画ワンピースで言えば、毎回悪役としてドフラミンゴや兄のエースを殺した赤犬や黒髭などが出てくるから物語に引き込まれる。
そして悪役は人でなくても良いです。擬人化すれば可能でルフィなら「泳げない」ことがそれにあたります。
悪役の4つの特徴をあげると以下になります。
・悪役が不満ではなく、悪役がもたらす感情です。
・すぐに悪役だと分かる。
・悪役は一人である
・悪役は実在する
これを頭に入れつつ、商品やサービスによって打ち勝つべき問題の、主な原因は何であるかを考えて悪役について語ろう。
そして悪役のレベルには3つあってこのレベルによってお客さんに興味を掻き立てるんです。
■外的問題
悪役の意図だけでは十分に相手に伝わらないので具体的なもので障壁を表現する必要がある。例えばワンピースならばエースが海軍に処刑されることだ。
企業の商品の大部分は外敵問題を解決しているので見つけるのも簡単だろう。
例えばコップやユニフォームなどがそうだ。
■内敵問題
企業が犯す間違いの大部分が外敵問題を商品の解決策に設定することだ。お客さんの悩みは内的問題に起因することが多く、内的問題を改善しない限りあなたの商品を選んではくれないだろう。
例えばアップルのスティーブ・ジョブスは、お客さんの内的問題を「お客さんはコンピューターに対して苦手意識があり操作し易いIT機器を望んでいる」ということを理解していた。
そしてスターバックスは、コーヒーを提供すること以外に「快適で洗練されたくつろぎたい」という内的問題を解決した。
内的問題とはこのように外敵問題がフックとなって内的な不満が解消することです。その為には不満を特定しそれを言葉にして外敵問題とともに解決出来ることを示すと特別なことが起きる。
■哲学的問題
