【リサーチ】昔からある定番。ユーザー調査 – デプスインタビュー

今回は調査の方法でデプスインタビューに説明します。深層意識にある欲求やニーズを聞き出すときにやる手法で1対1で形式で行うので、深く関わることができるので、なぜ商品が購入されたかの情報を知ることが出来ます。メリットをあげると以下になります。
メリット
・1対1で話すので深く掘り下げることが出来る
・複雑なプロセスを解明できる
・デリケートな話題も聞くことが出来る
・1対1なので遠慮がない
デメリット
・インタビュアーの能力に依存する
・質問箇所がインタビュアーによって偏る
①目的を決める
まず目的、目標を決める。何事にも目的は必要でなんとなくやろうでは、質問を考えることも出来ないばかりかインタビューの後に質問がよかったのか、悪かったのか判断もできません。何を知りたいかについては、目的を軸に逆算するとわかりやすいです。例えば、目的がマーケティングツールを操作性向上ならば、ユーザーの現状の行動がわかれば考える糸口になり先に進めるので、そのように考えて行きます。
「○○を知ることができれば次のプロセスへ進めるか?」
「○○を知ってどのようにそれを次に活かすか?」
「今ある情報以外で何を知りたいのか?」
など当てはめたりして考えてみてください。
②誰に聞きたいか。ターゲットを決める
これは「誰が何に困っていいるか」かを考えてターゲットとなる人物像を描き出します。上記の目的について、知りたいことを話してくれそうな人はどんな人でしょうか?目的からどんな人に聞けば良いか想像してみましょう。
マーケティングツールの操作性向上が目的ならば、それを使っている顧客になります。
大枠の顧客仮説が定まったら、その対象の行動について洗い出して、優先度をつけましょう。
③対象者を集める
対象が定まったらリクルーティングします。指標化したデーターからスクリーニングアンケートを作成し、対象者のリクルーティングに入ります。スクリーングアンケートとは調査対象となる条件に合う対象を探すために、事前に実施する調査のことで、これによって知りたい情報を話してくれる対象者ではないことが防げるので正確な情報が手に入ります。
だいたいパターンが見えるまで5人から10人が必要なので集めます。
④質問の設計
質問をリストアップして行きます。これは目的の「知りたいこと」を知る為の「質問」になります。逆算して考えて行きましょう。ここではとりあえず、思いつくまでに書いてください。そして、時系列的に並び替えてください。
⑤質問を言い換える
洗い出したものを質問の言い換えをします。どのように質問すれば知りたい内容を引き出せるか考えながら言い換えます。決まった言い方をしてしまうと、誘導的になったり偏りが生じてしまうので気をつけましょう。
例として「○○をした後、〇〇しますか?」「〇〇をする人が多いですが、〇〇しますか?」の様に質問してしまうと限定的になり、かつ誘導的になったりします。やり方としては抽象化するようにします。これはオープンクエスチョンと言い「はい / いいえ」で答えられない質問です。例えば「教えてください」「いつ / どこで、そうしましたか?」などがこれにあたります。これによって、ユーザーの意見を掘り下げていくことが出来ます。反対に「はい / いいえ」で答えることが出来るのがクローズドクエスチョンです。
そして、意見を求めるのではなく、ユーザーの具体的な経験を話してもらうようにしましょう。意見を求めても、ユーザーの経験に対してその時「こう思ったという思う」を推測で後付けしただけで仮説にすぎません。経験のみを話してもらいましょう。
例として「〇〇についてですが?利用するときの状況を教えてください。」のように質問しましょう。
⑥当日の流れの計画
次に当日の流れを計画します。流れとしては以下になります。

初めにラポール形成という相手との信頼の構築をします。取引や恋愛でも同じように、まずは関係性の構築をしなくてはいけません。相手からの信頼がないと本当のことを話してくれないばかりか、こちらも相手への深く理解が出来ません。やり方は「今日はどうやって来られましたか?」「どこにお住まいですか?」「休みはどう過ごされていますか?」など個人的な話題について話題を振ります。こちら側からはあまり話さず聞く側に徹してください。人の多くは自分のことを話ているときが楽しく相手への信頼感が増します。そして聞かれたら答えてください。聞かれることは、貰うと返したくなるという人間の心理を利用したものです。しかし当てはまらないケースもあるので相手への関心のないタイプや聞き下手の人の場合は自分から話してください。なぜ聞かれていないのに話すかというと片方だけだと関係性が薄くなるからです。相手が関心がなくても、気づくのが遅い場合もあるので、そんな場合は短く簡潔に自分のことを話題から話してください。メインは相手なのでだいたい全体の1、2割程度で大丈夫です。
インタビュー – 実査
実際のインタビューでは質問リストから時系列的に質問していきますが、注意点があります。質問中に深掘りしたくて「なぜ」と聞いてしまうことがありますが、ここでは使わないようにします。自分でデザインやプランを考えるときに「なぜ」と自問自答しながら考えますが、しかしインタビューとなると良くありません。なぜかというと、「なぜ」と質問をすると相手に説明を強制することになります。ここではユーザーが自分でも気づいていない問題を発見することなので論理的に、推測を付け加えたものだと意味がありません。
そして、インタビューだけに限りませんが物事には裏表があると常に考えてください。例えば回答で「ブラウザのウィンドウを2つ立ち上げグラフを見ながら、ヒートマップを利用することが多い」とあれば、どうしてそうするようになったかの表面部分とそうする前はどうやって使っいたかの裏部分を聞くようにしてください。そうすることにより立体的に事象が理解出来より深く分析出来ます。
